その日の放課後。


呼び出された私は、櫻庭芥の指示通り
空き教室にいた。

彼は約束時間を過ぎても一向に現れる気配はない。

でも、靴はまだあるし、学校にいるのは
たしか。

「ったく…。早く帰りたいのに。」

もうすぐ大好きな番組が始まってしまう。

今日は3時間スペシャルなのに…。

もう夕日が星空に変わってきてるじゃん!

呼び出しておきながら 15分も遅れるってなくないですか!?

(帰りたいよぉーー!)

一番輝いている星にそう願うと、星が少し瞬いた気がした。