あの騒動から数日。


「きゃぁぁぁぁーー!!芥くぅぅーん!」

「こっち向いてぇぇっ!!!」

「櫻庭君、ちょっといいですか?」

櫻庭芥の人気っぷりは未だ健在だ。

それどころか、学校中に櫻庭芥の噂が
広まって、いつのまにか女教師まで
来るようになった。

クラスで唯一彼の隣の席である私は、
いつも芥ファンに睨まれ、通りすがりには
机を蹴られる。

まったくいい迷惑だ。