春「でも、あたしは蘭のノートでいつも助かってるけど?」


首を傾げて言う春陽


蘭「うーーずるい!!春ちゃんのばか!」


ぷいっとそっぽを向くあたし


春陽はわかってそのしぐさをやるのだ


そんな綺麗な顔で言われたら何も言えなくなる


ずるい


春「久しぶりに春ちゃんって呼んでくれた…」


蘭「え…」


ボソっと聞こえた声に反応して顔を戻すと春陽が笑っていたのだ


その笑顔には懐かしいと感情が混じってた気がする


小さい頃は春陽のことを春ちゃんと呼んでいた


ある日を境にあたしは春陽と呼ぶようになったのだ


春「ほら、行くよ。授業始まるよ」


春陽はあたしの頭をポンと叩いて先を歩き始めた


蘭「あ!ちょっと待ってよー!!」


あたしは慌てて春陽のことを追った