【超短編】私の隣

新しい部署にも、だんだん慣れ、仕事も順調だったが、たまに仕事も人間関係もあまりうまくいかず、行き詰っていたときがあった。




そんな時、ふと彼の隣に座っていたときの、安らぎが欲しいと思った。




初めて、彼の存在の大きさにしみじみと気が付いたときなのかもしれない。




彼が大切だと気がついいた一週間後、再び休憩中に、彼に会った。




そして、彼は当たり前のように私の隣に座って、話をした。




私はその時、「仕事がうまくいってない。」と、愚痴を彼にこぼした。




彼は、優しく、私の話を聞いてくれた。




話をしていて、私がもらす愚痴に対し、彼はいつも、暖かい一言をくれる。




「頑張れ」や「出来るよ」と、なんでもない、簡単な一言だが、私にとっては、すごく勇気付けられた。




それは、彼の言葉に暖かいぬくもりを、すごく感じるからだ。




そんな彼との心地よい時間、空間はやっぱり、私にとって必要で、私のエネルギー源だと思った。




ただ、隣に座り、話をするだけでいいのだ。




なぜならば、それ以上の関係を、望んではいけない気がする。




そして、望んでもいない。




どうしてかは、私自身わからないが・・・




ただ、たまに隣で同じときを過ごし、心地よい時間が過ぎていき、欲を言えば、愚痴をこぼしたときの、彼の暖かい一言があれば、充分満足なのだ。




彼の隣は、彼は、私にとって決して失いたくない大切な場所・大切な人だ。




それらが、私が彼に、望んでいることなのかもしれない・・・