そして、シャッターをきるその瞬間に私は大河くんの赤い耳に口づけをした
パシャ
すぐに私から離れて自分の耳を抑える
「な、なっ…!おおおお大瀬戸!?」
クスッと笑って私は駅の改札口に向かって歩いて行った
「ほらほら!大河くん!
早くしないと学校に遅刻しちゃうよ!」
私がその場でおいでおいでと大河くんを誘導する
ほんと大河くんは、反応が面白いなぁ
見てて飽きないや
赤い顔の大河くんが耳を抑えたままで私の元に走ってくる
この時までは、私はまだ幸せだったんだと思う
私の人生が狂い始めたのは、このすぐ後
私があのメールを開かなければ…
あのメールが届かなければ…
今更もう遅い。私はもうこの頃には戻ることは出来ない

