少し冷たい空気が私の足の間を通る
そして、私は駅である人を探すために辺りをキョロキョロと見渡した
「お、大瀬戸!」
私の耳に入ってくるちょっと低い声
その声が聞こえた方を向いて、にこりと笑う
もう来てたんだ
パタパタとその人の方に小走りで駆けて行く
私の顔を見るなり顔を赤くして、途端に目を泳がせる
「大河くん。おはよう、遅れちゃったかな?ごめんね?」
上目遣いで甘い声を出す
大河くんは赤い顔を更に赤くして、いやとだけ呟いた
ふふ。LINEじゃあんなにクールにしてたのに…
この赤い顔…タコみたーい
写真撮って、愛梨に送りたいな
私はいいことを思いついて、さっと携帯をカバンから取り出した
「ねぇねぇ、大河くん。
今日は記念日だよ!私たちで初めて一緒に学校行く記念日……」
だんだんと声を小さくして、いかにも恥ずかしがってます感を出す

