「家族なんだから、そんなに気ぃ使わないでよ。ね?」
「…………そう…ですね」
あのさー、別に話したくないんだけど
チラッと横目で幸人さんを見ると、いつもの表情と違い、無表情になっていた
思わず私も困惑してしまう
すると視線に気付いたのか、幸人さんがこちらに目線を送った
やばっ。携帯に視線を合わせて “今、携帯やってます” アピールをした
しばらく私の方を見ていたけれど特に見ている気配もしなかったのか
すぐに前を向いて運転を再開した
さっき、考えた文をそのまま愛梨に送る
すると一分もしないうちに私の手の中で携帯が震えた
『わーお。さすが百戦練磨の美咲様。
後で手口教えてよねー』
なーにが百戦練磨よ
前までは落とせるわけないって言ってたくせに…
ほんっと、調子いいんだからー
ま。愛梨のそーゆうところが好きなんだけどね

