私は幸人さんの目をじっと見て、フイッと目を逸らした
信じたわけじゃない
でも、ほんと一歩だけ近付こうとした
目を逸らしたまま、私は洗面所に行った
「……ごめんなさいね、幸人。
美咲、前はいい子だったのに…なんでかしらね…」
なんでって…ほんとに思ってるの?
お母さんはきっともう、お父さんのことが好きじゃないんだ
もう、愛してなんてないんだ
目頭が熱くなる
私は鏡の中の自分を一瞬だけ見て、冷たい水を顔に浴びた
「う、冷たっ…!」
目をギュッと瞑ったとき、どこからか着メロが流れた
あ、この歌は……私のだ

