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「麻菜ぁっ!麻菜ぁっ!なんで、一体何があったのよっ!」


ヒステリックに自分の娘が死んだショックで当たり散らかす母親。


「…麻菜。」


母親を慰め、自分も娘の死んだ悲しみに浸る父親。


「…あいつなんて、死んで当然よ。人の彼氏奪ったんだから。」


妹の死んだことに対して、嬉しく思う姉。



気の毒そうな顔をして、家族を見ている親戚たち。





「クククッ。ウケるんだけど。なにこの人達。」


「まったく…。エミほどほどにして下さいよ。社長に怒られるの私なんですからね。」


「わぁーってるって。けどよ。俺のSの血が騒ぐんだよなぁ。」


「ドSですもんね。私は弄られませんけど。先輩と付き合えばどうです?ドMとドSで相性抜群ですよ。」


「お前の言葉は心に刺さるよ。ってか、先輩は
やだ!っていうか、ドMを弄って何が楽しい?虐められるのが嬉しい奴を虐めても楽しくもなんともねぇ。」


「根っからのドSですね。」


「それに!」


エミと呼ばれた青年はもう一人の少女に顔を近づける。


「俺はナクが好きなんだからな!」


「知ってます。私も好きです。離れて下さい。近い。」


「ちぇっ。つれねぇーなぁーナクちゃんは。」


「いい加減ウザいです。」



二人は月の闇夜に消えていった。