希望への初恋。Ⅰ


そして、俺は、その手をとっさに
つかんだ。
逃げないように。

雨が降り始めたが、そんなこと
全く気にならなかった。

振り返り、盗み聞きを謝られたが、
それより今は自分の気持ちを
早く伝えたかった。
やっと勇気を出せそうなのだから。

「………………き。」

自分でも聞こえないくらい
小さな声だった。

「ん?」

やはり聞こえなかったか……。