『変わってたよ…カッコ良くなってた。小学部の時よりも背も伸びてたし。……勉強は…相変わらずだったけど…』


笑う。
間近に見るまりんの顔。
笑うとまた別人に見える。


『それからずっと、目で追ってた。…目だけのストーカー!自分でも、どうかしてるって思った…』



その気持ちは分かる。
オレもセンパイに対して、同じことを考えてたから。


『両思いになれるなんて思ってなかった…ソウヤ、私のこと眼中にない感じしてたから…』


ドキッ!
もしかして、オレがセンパイのこと見てたの、気づいてたかも…。


『……でもいいって思ってた!見てるだけで幸せだった…』


まりんの思いはオレと同じ。
好きな相手が違うってだけで、片思いはオトコもオンナもカンケーねぇんだ…。


『でもね…』


膝貸してくれてる奴が顔を上げる。
よく見えねぇけど、ほっぺたが赤い。


『…今はもっと幸せ!好きな人との距離が縮まるって、こんなに気分いい事だとは思わなかった!』


下を向く目と目がぶつかる。
そんなこと言われると、悪い気はしねぇ。



『…オレもシアワセだよ…まりんといれて……』


手、伸ばす。頭を下げてくる奴とキス。
少しだけ、気持ち込める。


『…まりん……抱いていい?』



ジョーダン。
さすがにそんな気ねぇ。


『や…やだよ!なんで⁉︎ …』


拒絶早っ!当たり前か。



『…だよな』


呆れて笑う。
誰を…って、自分を。