「誰が謝るかよ!!」


ダッシュして逃げた。
机の上に置いてあるペタンコの通学バッグを引っ掴んで外へ飛び出す。


学校とは反対の方向へ走っていく。

あそこへ行けば、会いたくもねー奴らと顔を合わす。
見たくもねーイチャつきぶりを、見ることになる。

そんなのイヤだ!見たくねぇ!!





……二人して同じセンパイを好きになったのが誤りだ……

センパイがダイゴを選んだのも間違ってる……



…でも…アイツが風見に来たことは……一番おかしい……!



逆恨みもいいとこだ。
たまたま現場を見かけたのが、あいつの買い物に付き合った日だっただけなのに、オレにはそれさえ無ければ…としか考えれねぇ。

てんでコドモ。

ツヨシの言う通り、オレは何もできねぇガキ。

恨んで、憎んで、関係もねーヤツに責任があるかのように思う。


自分の心に守るために…
自分を正当化するために……


すべてを、アイツの責任にしてしまうーーーー





ーーーー無我夢中で走ってた。
息が切れて苦しくても、走るのを止められなかった。
学校からも家からも離れたかった。
ついでに言うなら、過去の思い出からも逃げだしたかったーーーーー



心臓がバクバク鳴りだして、少しだけ足を緩めた。
額に噴き出る汗を拭う。
目の前に踏み切りが見える。
下りてくる遮断機を突っ切って、中に入り込めたら、何もかもから解放される。