サイアクの週末が明けた。

起きたくねぇけど、ベッドから出る。


カチッ…

足の裏に、ガラスの破片があたった。


「まだ落ちてたのか……」



拾い上げてゴミ箱へ捨てる。
寝ぼけながら慎重に進む。
心に傷を負ってんのに、足までケガするのなんかやだからな。




日曜日、いつもと変わりない感じでダイゴからラインが入った。
たわいのねぇ会話。
でも、オレは見る気もせずに即消しした。


あいつがセンパイのこと好きなのかな…って気はしてた。
もしかしたらセンパイも…って気は、しないでもなかった。

でも、あのスポーツ店でのセンパイの態度は、明らかにオレの方が好きなように見えた。
調子づかせて乗せさせて、結局はダイゴの好みを聞くための行動だったけど。



(………許せねぇ…どんな理由があったって、許してやらねぇ……!)


そう思えば思う程、憎らしさと共に、好きだって気持ちが膨らんだ。
センパイの好きな奴がダイゴだってことが、正直、かなりツラかった……。


(ダイゴはオレにとって、兄弟みたいな奴だったのに……)



オレ達の間に、入ってきて欲しくなかった。

オレ達の仲を、崩してなんて欲しくねぇーーーー




バシャバシャと激しく顔を洗った。
水を叩きつけながら、どんな顔で二人と会えばいいんだ…と考えた。

イチャつく姿を、どんなふうに見ればいいんだ…と、複雑な思いで噛みしめた。



いつも以上に無愛想にメシを食うオレを、ミドリとツヨシが眺める。