「スタバか、賛成!」
「私、チョコクロ食べよう!」
「あ…私も食べたい!」


5人で意気投合。ワイワイ言いながら店に入る。
イヤな空気が追い払われる。これも全て、センパイのおかげ。

(スゲぇ…ますますホレた!)


センパイの横顔を見ながら、この人は本物の天使だと思った。
長いまつ毛が揺れてる。
その瞳で、オレのことも見て欲しい…と願った。



(よぉ〜し!帰りに告るぞ!)


決意する。
アレコレ考えるのなんかオレらしくない。
当たって砕けろだ!




ランチを食べた後、皆でカラオケに行った。

センパイの歌声はキレイで、思わずウットリ聞き惚れる。
それから意外にも、アイツが結構上手かった。


「ハルナ歌い慣れてる感じ!」


まりんがはしゃぐ。
小さい頃にママのお店で歌わされたからかな…と、ヤツは理由を語った。

アイツの話なんて興味ねぇからよそ向いてる。
その耳に聞こえてきたあの話。


「…ハルナちゃんね、子供の頃、初恋の相手と「また会おうね」って約束したんだって!」


センパイの声に振り向く。
恥ずかしそうな顔したヤツが、その口を止めようとする。


「センパイ!その話は…!」


シー!ッと指を立てる。
でも、ダイゴとまりんは聞きたそう。

「なになに⁉︎ その話、チョット詳しく聞かせて!」
「会えたかどうか、そこが気になる!」

身を乗り出す。困った顔する。
この場にオレがいるから、余計にでも話しにくそうだ。