マジメくさって答えた。
ダイゴの顔が固まる。
オレの言った言葉の意味を頭に置いたまま、力なく返事があった。


「……そうか…」


背中をショゲて入ろうとする。
その奴に向かってクギを刺した。


「…誰にも言うなよ!ダイゴにしか話してねぇからな!」


間違っても「きのした はるな」の耳には入れたくねぇ。

オレは兄貴が死んだことも、兄貴の身代わりとしてアイツに会いに行ったことも、何もかも話さねぇでおいて、自分の罪としておきたい。


「……分かったよ!誰にも言わない。安心しろ!」


頭一つ分背の高いダイゴ。
ホントの兄貴みたいに思ってきた親友。これからも、それだけは揺るがねぇ。


ニッと笑い合って離れた。

アイツの心にもオレの心にも、不審な空気が立ち込める前の話。
「きのした はるな」の存在は、オレ達『風見鶏』の仲を、確実に崩し始めていたーーーー。