「なんだよ、それ…」


指摘されて少しイラっとした。
思春期特有のイライラ感。
新学期からこっち、それはますます募ってた。


「ダイゴがハルナの面倒ばっか見てるから、つまんないんでしょ⁉︎ …あんた達いつも、くっ付いてたからね!」


ニヤニヤしてる。
その言い方がスゴく気にいらねぇ。


「ほっとけ!ダイゴが誰の面倒見ようと、俺の知ったこっちゃねぇよ!」
「ムリしてる!だったら一緒に見りゃいいじゃん!今まではそうしてたでしょ⁉︎ 」


小学部からの付き合いだけに、まりんはオレ達のことをよく見てる。
河口、楠瀬、香月…出席番号順に並ぶと、大体いつも一緒だったから。


「どうしてハルナの時だけ無視するの⁉︎ 理由でもあるの⁉︎ 」
「……ねーよ!メンドくせぇだけ!」


話すのもイヤんなってくる。
まりんはどっちかっつーとオレの苦手なタイプ。
こいつはスポーツもできて、おまけに成績も上位ときてるから。


「あっち行けよ!」


背中押す。思ってた以上に力が入って、まりんが転けそうになった。


「…何すんの!危ないでしょ!」


反抗してくる。
鼻っ柱が強い。それもまりんのイヤな所。


「…よせよ!二人とも!」


ダイゴが止めに入ってきた。クラス委員だから当たり前だ。


「朝っぱらから教室でケンカなんかするなよ!ガキじゃあるまいし…」


ダイゴの言葉にムカつく。でも、確かにガキだ。