練習が終わっても、「きのした はるな」はまだ残ってた。


「ハルナちゃん…まだ、いたんだ!」


ダイゴが話しかける。


「どうだった?やれそーだろ?」

平気そうに聞いてる。
答えに迷う「きのした はるな」の所に、まりんとセンパイも集まってきた。


「やってごらんよ。案外できるって!」
「一緒にガンバロ!楽しいよ!」


3人から勧められてる。


(…あれじゃー「やりません」なんて言えねぇな……)


気の毒になる。中3の時ですら、玉拾いしてたようなヤツに、バドなんてスポーツ、できる訳がねぇ。



「……頑張ってみます…」


小さな声がした。


(えっ!?…マジで!?)


呆れるように見る。


「きのした はるな」をとり囲んでた3人が、同時に歓声を上げた。


「ソウヤ!ハルナちゃんバドやるって!」


ダイゴがわざわざ知らせに来る。


「…そうかよ」


どーでもいい感じ。


「ツレねーな!こっち来いよ!」


ダイゴに呼ばれる。でも、オレは知らん顔した。


「……なぁに、あれ!」


まりんが呆れて声に出す。


「もしかして…テレてるの?」


センパイまで不思議がる。


「ううん、何だか知らないけど、ソウヤはハルナちゃんにキビシーんだ…」
「ふぅーん…どうしてなんだろ」
「…あっ!あれじゃない!初恋の相手!」



ギクッ!


「まさか!それならこんな態度とらないって!」

ダイゴが否定する。