「今回だって、9年連続同じクラスだし!」
「うわぁ…そうなの⁉︎ 珍し〜!運命だね!」


(運命……)


重い響きのある言葉に固まる。
それは幼い頃、兄貴がよく口にしてた言葉…。




『僕が死ぬのは運命だから、逆らえない…』


たった8才の子供がそう言った時、カヨコは驚いたのなんの!


『馬鹿言うんじゃないよ!そうちゃんは死なないよ!』


必死の形相で止めるもんだから、返って真実を語ってるように見えた。


『ニィちゃん…死んじゃうの⁉︎ 』


心細くなって聞いた。
兄貴は熱がずっと続いてた。
水も飲めなくなって、いつも苦しそうだった。


『死にゃしない!そうちゃんは死んだりなんかしない!』

カヨコの声が大きくなる。
ニィちゃんの顔は……寂しそうだった…。



『ソウヤ……』

おいでおいでと手招きされた。
ベッドに近づくと、よしよし…と子犬のように頭を撫でられた。


『ニィちゃんはどこにも行かない。いつだって、ソウヤと一緒にいる…』


泣かない泣かない…と、優しく頭を撫でられる。
ニイちゃんの声と手のあったかさ。
ホッとさせられる事が、これまで何度あっただろう……




「…なっ⁉︎ ソウヤ!」


ダイゴの声に驚いた。


「な…何が⁉︎ 」


目を丸くして聞き返す。


「なんだよ、聞いてなかったのかよ!ハルナちゃんのこと!入部希望なんだよな⁉︎ 」
「えっ⁉︎そうなのか⁉︎ 」