カラ元気出しまくって笑った。
点滴棒で腕を支えてるヤツが、少しだけ元気のいい声出した。



「うん…私の夢なの…。あのピンクのブラウス着て、風見の門くぐるのが……」



トレードマークみたいな淡いベージュピンクのブラウス。
アレが着たいが為に、『風見学園』を受験した。
だから、何があっても、きっと学校に復帰する……


そんな思いで頷いた。
そうや君はニコッと笑って、「だったら頑張れ!」って言ってくれた。


『好き…』って言葉は言わなくても、ココロが通い合った気がするのは何故だろう。
あの崖下の時と同じ。

『ハルナ…』って、呼んでくれたから?
それとも、私が『そうや君…』って、呼んだから?


ぎゅっと手を握り合う。
10年前と同じ。
ここで私達は、もう一度、約束をしよう……。


「私……ゼッタイに風見に帰る!だから、そうや君の隣の席、残しといて…」

「あたりまえだろ!誰にも譲らねぇよ!お前が戻ってくるまで、空のまま置いとく!」


だから、早く帰ってこい…と言わないトコが、優しさだね…。


夏空の下、叶うと思って約束を交わした。
私もそうや君も、ウソをつくことになるなんて、思ってもいなかった。



だけど…

現実は難しく、

私の病状は、

その後、一気に悪化したーーーーーー