「わっ…こんなイッパイ!」


顔より袋の方がデカい。


「ハルナ、お菓子大好きって言ってたでしょ。だから喜ぶと思って…」
「ありがとー…でも、最近、ちょっと食べれないんだぁ…」


残念そうな顔。


「どうして?」


まりんが聞き返す。


「減塩食…って言うの⁉︎ …アレ食べて始めてから食欲ないの」
「減塩食?」
「うん…薄味…って言うより、殆ど味しないんだけどね……」


仕方ない…って言い方する。
ダイゴとまりんが顔合わせる。
ほら見ろ。何も考えねぇからこんなコトになるんだって。


「でも、せっかくだから1個食べようかな…食事は食べれなくても、お菓子なら食べれるかもしれないし…」


嬉しそうにする。
ダイゴとまりんの顔色、伺ったな…。


「そ…そうよ!1口食べてみたら意外にいけるかもしれないよ!」
「病院食はマズいって言うしね」

「…うん…じゃあ皆も食べよ。ねっ!河口君も…」


こっちおいでよ…って手招き。
オレは病室ってとこがニガテで、おまけにベッドってやつも大キライ。
でも、コイツのことは好きだから……

(…まっ、行ってやっか…)


言い訳だらけ。
いい加減、素直になれってんだ。


まりんが菓子の入った袋を開ける。
ラムネやらグミやら…って、まるで小学生扱い。


「ハルナ、どれ食べたい?」


全種類出して見せる。