ダイゴ君の優しさは誰にでも共通。
それがなんとなく「そうちゃん」に似てた。


「ありがとう。ダイゴ君みたいな人がいるだけで、私は心強いよ!」


そうちゃんに言うような気持ちでお礼を言った。
でも、それすらもジャマされた。




「…ガタちゃん!席替えしようよ!」


風見鶏の提案で席替えをすることになった。
唯一の味方、ダイゴ君は、私の真反対の席になってしまった。



「…あーあ、あたし、腎臓ちゃんの隣かぁ…ついてな〜!」


『風見鶏』の一人の言葉にギクっとした。


「…なぁに?その腎臓っての!」


わざと他の子が聞く。


「腎臓って、なんかトイレ連想させるような臓器だよね〜!」
「やばっ、ちょっとイヤかも…!」


入院歴があるのを知ってるのは3人だけ。
そのうち、腎臓を患ってたのを知ってるのはまりんちゃんのみ。
あのカラオケボックスで理由を聞かれて、少しだけ喋ったから…。


「ヤダヤダ!誰か代わって〜!」


隣に決まった子が騒ぐ。
それを聞いて、ダイゴ君が静まれと言う。

誰も静かにしない。
鳥のような叫び声は、教室内に響き渡ってた。






「うるせぇ!!黙れっ!!!」




バンッ!!とバッグを机に叩きつけ、河口君が立ち上がった。

シーン…と室内が静まり返る。

目を吊り上げて怒ってる彼の姿に、まりんちゃんさえも目を丸くしてた。