翌日から私は、ホントに干された。

朝、教室に入った瞬間から、空気の冷たさが違ってた。


「おはよー!ハルナちゃん!」


いつものように挨拶してくれたのは、ダイゴ君だけ。
まりんちゃんは私の顔を見ると、何も言わずにプイッと横を向いた。


中学の頃、友達が言ってた通りの展開。
『風見学園』の『風見鶏』は結束力が強くて、自分達の気に入らない子は、徹底してムシするんだと言ってた。


『はるな大丈夫⁉︎ そんなガッコに一人で行って…』
『あんたトロいからさ、周りの鳥達に突かれそうで心配だよ……』


同じテニス部だった友達は、そう言って私のことを気にかけてくれた。
でも、正に、その通りのことが起きるなんて、思いもしなかった。



「…まりん!行こっ!」


私がまりんちゃんに近づこうとすると、他の子達がジャマをした。
『風見鶏』の結束力はホントに強くて、部活の時も徹底的ににジャマされた。



「女子サイテー!」


ダイゴ君が私を庇うようなことを言えば言うほどエスカレートしてく。
気がつけば私は、教室の誰とも話さない日を、3日ほど送ることになってた。



「ソウヤ、まりんに何か言ってやれよ!お前ら付き合ってんだろ⁉︎ 」


ダイゴ君は見るに見かねてそう言った。
でも、河口君は興味ねぇ…って言って、相手にもしない。


「どいつもこいつもサイアクな奴らばっかだな…。ハルナちゃん、大丈夫?」