君と波






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「ずっとみつのこと好きだったの」



中庭へ行くと、予想通りの言葉を言われた。



ジッと私を見つめるその目は、返事を期待していた。



きっと、来るもの拒まずの私の噂を知っているんだろう…。





いつもなら、もうOKしている。



なのに、今だにその言葉を言えずに口をつぐむ私に、その子は不思議そうに首を傾げた。



そして



「あたしじゃダメ?」



と、少し申し訳なさそうに問いかける。





「いや、そういうわけじゃなくて」





本当に、そういうわけじゃない…



ただ、頭の中に華が居て


今まで通りに返事をしたら、何かを失ってしまいそうで…






私が返事を濁していると、女の子がじれったそうな表情で、私に近づき




「いいじゃん!あたしずっと好きだったんだよ!?」




と、声を荒らげた。





その時だった。




パキン…




背後で木の枝が割れる音がし、思わず後ろを振り返る。




そこに居たのは