君と波




「何で、別れたの?」



必死に作り笑いを浮かべ、問いかける。


華は少し目を伏せ、寂しそうな笑みを浮かべ、話始めた。




「…あたし、こんな格好してるけど、少女漫画みたいな恋に憧れてるんです。でも、元カレとそんな恋愛出来なくて。ずっと友達感覚みたいな感じで…だから…あたしから別れようって言ったんです。」




そう言った華は少し遠くを見つめ、まるで元カレとの思い出を見ているようで…



何だか、歯がゆい気持ちでいっぱいになる。



「だから、やり直したら、今度は恋人らしく恋愛できるかなって…」




その言葉を聞いたとき、きっと私は眉間にシワを寄せ、イライラしていたと思う。



だって…




「私だったら、華に恋愛させてやるよ」




こんな言葉を気付かないうちに口にしていたから…。



言い終えた後にハッと我に返る。


華を見ると、目を見開いて驚いていて…




「先輩…」




華が何かを言おうとした瞬間、私は逃げるように席を立ち



「ごめん、この後用事あるから帰るわ」



その場から足早に去った。




そして家に帰るとすぐに自分の部屋に閉じこもり、ベットへと身体を沈めた。




「何で、あんなこと…」




さっき自分が言った言葉


その時の華の顔



2つが頭の中をグルグルかけ巡って、叫びたいけど、壁をガン!と殴ることでその気持ちを誤魔化した。



華の元カレの話



正直耳を塞ぎたくなった。



どうでもいいはずなのに。



でも、聞いた瞬間めちゃくちゃ苦しくて


辛くて


イラついて



色んな気持ちがごちゃまぜで、本当に気持ち悪い。



こんな気持ち、知らない。



初めてで、分からない…





その時だった