君と波




落書きの時、『華とお初』と書くと、華が



「呼び捨て、嬉しいです…!」


と、ニコッと照れが混じった笑顔で私に微笑んだ。


ただ“ちゃん”と付けるのが面倒くさくてそう書いただけだったんだけど(笑)



「じゃあ、今度から呼び捨てで呼ぶよ。華…」




言葉にするとぎこちないけど、何だか今までより華と近付けた気がして、本当に嬉しかった。



その後も何枚かプリを撮り、適当に店を見て買い物をしたりした。


そして、数時間がたったころ、休憩をしようとフードコートでジュースを買い、一息ついた。




「先輩今日は本当にありがとうございます!」


「私こそ誘ってくれて、ありがとう」



最初に出た言葉は、お互いへの感謝の言葉。


それから学校のことを話したりして、次第に話題は恋愛のことに。



しかし




「私の話はいいから、華の教えてよ」




自分のだらしない恋愛話を聞かせるわけにはいかないと、華に話を投げかけた。


すると、私の話を聞きたがっていた華は最初「えー」と少し不服そうだったが、次第に少しずつ話始めた。


しかし、その話は


「元カレのこと、好きなのかもしれないんです」



と、衝撃なものだった。



その言葉に、何故か動揺している自分が居る。







何で私、動揺してんの…?





自問自答をするが、全く自分でも分からない。




「未練があるか、自分でもよく分からないんですけどね(笑)」



と、笑う華に同じように笑顔を作ろうとするが、作れない。




「先輩…?」




心配そうに私を見つめる華。





笑わないと。


華に心配かけてる。


でも、何だか苦しくて、笑えない……。





ジュースを持っていた手に力が入り、紙コップが凹む。