君と波




お互いのLINEを教えると、華は今までの勢いを少し抑え、遠慮がちに言った。



「あの、私、お姉ちゃんに憧れてて…。良かったら私のお姉ちゃんになってくれませんか?」




まさかの姉妹宣言に、また私は笑ってしまい、




「分かった(笑)私で良ければいいよ」





と、承諾した。


すると華は両手で私の手を包みこみ、ありがとうございますと白い歯を見せながら笑顔を浮かべた。







…あれ?



この手の温もり、どこかで…






「先輩!今日LINEしますね〜!」



そう言って大きく手を振りながら帰る華をぼーっと見送り、私も学校を出た。












家に帰ってからも、右手の温もりが消えなくて何だか不思議な感覚だった。



そして何故か華の笑顔が脳裏に焼き付いて…




「関わらないって、思ったのにな…」




あっという間に覆された決意。



理由は簡単。



華に興味を持ったから。




何であんな笑顔が自然に出るのか…



何で息が荒れるまで走って、私に会いに来てくれたのか…




何で、こんなに温かい気持ちになれるのか…






『〜♪』



そんなことを考えていると、LINEの通知音が部屋に響いた。




「華ちゃん…」




送ってきたのは華で、内容は





『先輩!今日はありがとうございました(*∩ω∩*)♡』




意外と女の子らしい文面に、ギャップがあるなーと思う。



でも、それは嫌なギャップじゃなくて、寧ろ不覚にも少しキュンとしてしまった。