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「花宮さん。またやったらしいよ」


「また?懲りないね〜」



いつも通りのこの感じ。

いつも通り…でも、あることないこと話されるのは、毎度のことながらやめてほしい。


噂は勝手に歩き出す。


そうなってしまえばもう止められない。

尾ひれだの胸びれだの嫉妬だのがどんどんついていく。



それにより私、花宮梨亜(はなみやりあ)のプロフィールは、散々なほどに荒らされていくのだった。


…慣れすぎて怖い。




「花宮さん、実はおれっ…」


「ごめんなさい。この後先生によばれているから」


行く先を遮るものには遠慮しない。


というか、興味が無い。



あくまで申し訳ない、という顔をして、横を通り過ぎる。



大体。私の持っている情報では、今の男子には付き合って3ヶ月くらいの彼女がいる。


カップルの喧嘩に私を巻き込まないで欲しい。

彼女が当たってくるのは結局私。


ああいう馬鹿がいるから呼び出しをくらうのに…