「じゃあ、クラスいこっか」


結衣にできるだけの笑顔を向ける。



きっと、あの人がいなければ


「クラスが最高」って


言えたのかもしれない。




クラスへ向かう廊下から見えた


桜の木は


新しい季節がきたことを


痛いくらい知らせていたのだった。