HALF MOON STORY



だからかな、ちっとも寂しくなくて


いつの間にか、季節が変わりそう位


時間が経っていたのだ




ホント笑っちゃう位、すれ違いばかり



そんな忙しい時に限って


ハルの仕事が、休みだったりするんだよね




何度かハルが



名古屋へ帰って来た時もあった



その日は雨が降っていた


お昼の休憩中にハルからメールが来た


今から帰るって


東京駅の写真がついてた




その時私は、仕事が詰まっていたから


仕事のことでで頭が一杯だった




だからそのハルからメールは


私にとっては何よりのご馳走だった





それからの午後の私は



少しでも早く仕事を終わらせて



あなたに逢うことばかり考えていた




なのに結局、仕事が終わったのは


十時を過ぎていた



急いで帰り支度をして


会社を出て電車に飛び乗る


パームビーチの近くにある駅は


会社のある駅から三つしか



離れていない


なんとか閉店三十分前に


お店に入ることができた



夜を軽くしか食べていない



その時の私



美味しそうな匂いにつられてしまった



ハルの演奏を聴きながら


食べる手を止められなくて



せっかくハルが演奏の時間


合わせてくれたのに



演奏を終えて私の隣に来たハルに


やっぱり言われてしまった



だけどハル、あなたにだって本当は


文句を言いたかった私





何とか仕事を終えて


此処にたどり着いた



ハルがいると思うと嬉しくて


ドキドキしながら店の扉を


開けた私




目に入ってきたのは


ファンの女の子にサインを求められている


姿だった


それに嬉しそうに答えるあなた



頭では分かっていても


胸の中に小さなモヤモヤが沸き起こるのを


感じてしまったんだ