HALF MOON STORY




目を見合わせてから二人



氷で良く冷えた水を



口に含む



カラカラに渇いた



口と喉に吸い込まれるように



滲みわたっていった



素直に思った



こんなに美味しいお水は初めて



私がそう言おうとすると



ハルの方が先にそう口にした



「俺、こんなに美味しい水初めて



今まで気が付かなかった」



そう聞いて私はにっこり笑った



ほらね



こうしてあなたは



私の心の中に



一つまた一つと



大切なものを落としていく



それは多分


私にしか分からないもので



とても大切なものなのだ



一口目を飲み干すと



もう一口を口に含む



そして私は味わう



なんか何処かで味わった



懐かしい味だった



ハルも何も言わず



二口目を口に含む



そして



同じ様に



顔をしかめた



私は彼の言葉を待ってみる



色んなことを思い出しながら



そして気づく



ああ、二人でよく行った



公園で飲んだ水だ


どうってことのない


ただのペットボトルの水


だけど



話つかれて



歩き疲れた喉には



とても美味しく感じられた



お日様を沢山浴びた



後に飲むあの味だ



二人で顔を見合わせ



そう話す



ハルもああと頷いた




こんな太陽に縁のない場所で




私達お日様の光を



浴びていたのだ



そう感じたら



なんだか可笑しくなった



そして、嬉しくなった



「なんだ、二人でピクニックに



行ってたんだね」



そんな感じだ



水を飲んで二人



お互いに励ましあいながら



帰る支度をした