お気に入りの音楽を聴いて、学校へ入る。
 膝少し上のスカート。いつもと同じ制服を腕捲り。長い髪が風に揺られてシャンプーの香りを放つ。今日はやけにテンションが高い。
 なぜなら、今日は学校の一番のイベント。開かずの間の鍵が渡される日。それはいつ渡されるかは皆は知らない。
 だから皆は、テンションが高い。もちろん私も高い。
「美優~。今日は鍵が渡される日だよ!」
「梨香そうだね。皆気合い入ってるもんね。」
私がそう言うと梨香は頬を膨らましながら私に言った。
「も~!美優はそう言うもの関心ないよねー。ま、私はもらう気満々だからね!」
梨香には私の雰囲気はそう見えてるみたいだけど、一応私も楽しみ何だけどね!
「ハイハイ。別に関心なくてもいいでしょ!もう授業始まるよ!」
そう言いながら私は梨香を置いてきた。

長い授業が全部終わるった。放課後、皆の声がうるさくなった。
『あぁーあ、ついに渡されなかったー』
とクラス全員が突然言った。下手すれば校内全員が言ったかも知れない。当然私も心では叫んでいた。
 私は諦めて帰ろうと、昇降口へと向かった。
 靴を取ろうとした時、靴の上に手紙らしき物が置いてあった。
贈り主が分からないので私はその場で読んでみる事にした。

『櫻井美優さんへ。
この鍵はあなたへ贈ります。
あなたの相手は明日、開かずの間に居るでしょう。by生徒会長』

短い文章と鍵が手紙に入っていた。
どうやらこの鍵は、開かずの間の鍵だそうで。それから私が選ばれた者。と言う事。
「って。え……えぇ~。わ……私が選ばれた者ってこと~!?」
そんなこんなで私は、開かずの間を開けられる者になった。