あれから時は流れて、ルピシア王国では緋扇の力をコントロール出来るようになった美玖が王国の近くに奴隷狩りをしている馬車が通ると聞いて支度を急いでいた。ナイトである龍と綾も馬の準備をして美玖の準備が終わるのを待っていた。「美玖様もナイトの龍様、綾様もまだ13才だと言うのにとてもしっかりしていてルピシア王国の宝ですね」「美玖様はお姫様であり上王様と言う大切な役割も抱えていて大変なのに、奴隷狩りされている方達を救って下さっているなんて素晴らしいわ。」メイドたちの間ではそんな声が挙がっていた。美玖は力をコントロール出来る紫色の薄いパーカーを着て綾や龍の待っている場所に急いで向かっていた。その姿を見ていた兵士たちは美玖の肩より少し下まで伸びている美しい黒髪に目を奪われていた。