「好きだよ」
「そっか。俺はお前のこと嫌いだけどね」
にこりと笑ってそう答える彼の声は、酷く冷たい。私の気持ちを全否定するような、信じてもいないような、そんな声。私はそれに、うん、知ってた。と、静かに答える。
「あっそ。話はそれだけ?俺帰るわ」
待って、そう言いたかったけれど、声にならなかった。私はただ、足早に遠ざかる彼の背中をじっと見ていた。
これでもう何度目だったかな、彼に振られたのは。数えるのさえ億劫な程私は彼に愛を伝えて、その度に彼は私を嫌いだと言った。
自分でも馬鹿だなって思う。嫌いだって言われるとわかってて、彼に好きだと言うこの行為はまるで意味がないどころか、ただ傷つくだけの自虐行為だとも言える。けれど、やめられなかった。
私が彼を追いかけて、もう半年が経とうとしていた。
