×奈美×
さっき、冬馬が校庭で言っていたように、周りが仕込んでいたらしく、バスの席も隣が悠樹だった。
「ほら、足出して。」
私は、戸惑ったが、足をだした。
悠樹は、湿布を出した。
「あ、いや、いいよ!自分でやるから!!」
「いいから。お願い。貼らせて。」
そう言いながら、私の足を優しく持ち上げた。
「俺があのとき止めてれば…痛い思いさせないですんだのに…。だから、お詫びにこれくらいさせてよ。」
「そんなことないよ。私がやりたがっただけだし…」
2人にちょっとした沈黙が流れる。
「よし…これで大丈夫。」
「ありがとう。」
そういうと、悠樹はまた優しい、温かい笑顔を浮かべた。
「いいよ。これでおあいこ!!」
いつもの空気に包まれた気がした。
その時だ。その空気を壊すように、後ろから声が聞こえてきた。
「何、奈美。怪我したの?」
それは、龍斗だった。
「べ、別に…」
私は、バカにされそうで気付かれたくなかった。
「さっき、委員長がボール踏んで、倒れたんだよ。そんときに、足挫いたんじゃね?」
悠樹の隣。通路を挟んだとこにいる冬馬が、余計なことを言ってきた。
「ふっ…なにそれ…ウケ狙い??」
とか言いながら大笑い。
絶対バカにされると思ってた!
「でも、悠樹が助けたから、そこまでひどくないと思うよ。」
冬馬がそういうと、龍斗から徐々に笑みがなくなった。
「そっかそっか…なら良かった。気を付けろよ。奈美、どじだから。」
と言ってまた笑った。
本当に、長いこと一緒にいるが、よくわからない。

