校庭に降りた。
「2人とも、早いね。」
「まぁ…そういえば、ID、教えてくれてありがと。」
「いいよ!よろしくね!」
悠樹は、よろしくとこたえた。
まだ、他の生徒の声はしない。
「最近2人、仲良いね。噂んなってるよ。」
冬馬が笑いながら言ってきた。
そう言われれば、みんなの様子が近頃おかしい気がしてた。
何かと私と悠樹を一緒にしていた。
プリントを運ぶのも、次の時間の準備も、今回の班も…
「変な噂流すなよ。小堺さんが困るだろ?」
「いやいや、悠樹君に悪いって!!」
そんな私達の反応をよくしたのか、冬馬が笑い出した。
「2人とも、相手を尊重しすぎっ!」
そこまで笑わなくても…と思うくらい笑っている。
「てか、後20分はあるぞ。もう少し練習しようぜ。」
「わかったわかった。委員長はどうする?」
私も暇だったので、加わろうかな…でも、練習の邪魔になるかな…
「小堺さんのやりたいようでいいよ。俺ら困んないし。」
そんな悠樹の言葉に甘え、参加することにした。
「委員長パス!!」
やってみると、意外に難しい。久しぶりだし…
なのに、悠樹も冬馬も『ナイスナイス!!』とか褒めてくれるので、やりやすかった。
冬馬にパスすると、冬馬は悠樹にパスした。
「悠樹いっけー!!」
朝からテンションの高い冬馬はそう叫んだ。
それに吊られるように私も叫んだ。
「悠樹君!!」
なんて言っていいのか分からず、とりあえず名前を叫んでしまった。
すると、ゴールに真っ直ぐ入った。
「悠樹!!またもやきれいに決めたな!」
「すごいすごいっ!!さすが、悠樹君!」
悠樹は少し赤くなりながら頭をかいた。
「さんきゅっ!!」

