私は、母親の車に乗り、学校へ向かった。

母親の都合で早くついてしまった。

(こんな時間にきても…)

案の定、誰もいなかった。来るとしても、後30分くらい。
そのとき、校庭の方からかすかに音がした。

(誰かいるのかな…)

見に行くと、誰かがサッカーのシュート練習をしていた。

見た感じ、2人いる。

片方がシュートを決めた。

「ナイスシューっ!!」

声からして、冬馬だ。

確かに最近は、委員会で忙しかったし、まともに練習ができていなかっただろう。

「お前、いつも朝練してんの??」

冬馬がもう1人に尋ねた。

「まぁな。それより、ごめんな、こんな朝から練習付き合わせて…」

その声は…

「別に、俺もやりたかったし。悠樹とできんなら、こっちもやりがいがあるし。」

悠樹だった。

朝から練習…毎日来ているのか。
そのとき、またどこかで、悠樹への好感度が上がってしまった気がした。

「あっ、おーい!!」


悠樹が、私に気付き、手を振ってきた。


私もそれに応えるように、手を振った。


「おはよー!!」