一ノ瀬さん家の家庭事情。

「…知らなくていいって言ってんだろ!」

ガチャンと大きな音がして、玲が席を立ち上がってバタバタと二階に上がっていってしまった。

…怒っていた。

あんなに玲が怒ったの、初めて見た。

あれ、なんで…

あたしの目からは涙があふれていた。


「ただいまー!って愛!?どうしたんだよ!」

いつの間にか時計は夜十時をまわっていた。

あたし、いつの間にか眠っちゃってたんだ…

「誰かに泣かされたのか!?俺の愛を泣かせるとは…許せん!」

りっちゃんはものすごく怒ってるけど、自分自身何が悲しくて泣いているのかもわからない。

玲が冷たいから?

みんなが何か隠しているから?

「りっちゃん、あたしに何か秘密ある?」

りっちゃんなら、もしかして知っているのかもしれない。

玲があたしに隠そうとする、秘密。

「なーに言ってんだよ!秘密なんてないよ!ほら、今日は真も優もいないから、愛が一番風呂に入っちゃえ!な!」