一ノ瀬さん家の家庭事情。

「あたし、好きな人がいるの!…その人と、付き合うことになって…」

バタン!

りっちゃんが大きな音を立てて椅子から立ち上がった。

「…そんなの!そんなのまだ早い!早すぎる!」

なにそれ!

「なんでそんなこと言うの!?」

「愛はまだまだ子供なんだ!」

子供?

あたしはもう高校一年生だよ?

たしかに今までりっちゃんにはたくさん感謝してる。

でもあたしだって恋愛したい。

自由に恋したい!

「あたしはっ…」

「とにかく、俺は認めないからな!」

その言葉に、あたしも席を立ち上がった。

「りっちゃんのバカ!」

あたしはそう叫ぶとそのままリビングを飛び出した。

そして玄関にかかっていたコートをとって家を出た。

りっちゃんのバカ!

バカバカバカ!

なんでわかってくれないの?

こんなの、おかしいよ。

自分だってひなのさんと付き合ってるくせに!

真兄だって、優兄だって、玲にも彼女がいるのに!