一ノ瀬さん家の家庭事情。

浅丘君の目はあたしを見つめていて。

あたしも浅丘君を見てる。

二人の時間だけがそこに止まったみたいに感じるのは、大げさかな。

「俺、一ノ瀬のことが好きです。…俺と、付き合ってください!」

その言葉が頭の中に突き刺さった。

嘘じゃないよね?

浅丘君に、一番言われたかったこと。

あたしと同じなの…?

信じてもいいのかな…!?

やっぱり夢!?

だってこんなっ、こんなことっ!

バチン!

自らほっぺたを思い切り叩く。

「い、一ノ瀬?」

「いひゃい…」

この頬に残るじんじんとした痛み。

目の前には大好きな人の赤くなった顔。

夢じゃなかった…!

こんなに嬉しいことってない…!

「返事はその、一ノ瀬がいい時に…」

あたしの返事なんてもう決まってる。

だって最初はあたしから言おうとしてたことだもん。

やっと伝えることができるんだ。

恥ずかしくて、ドキドキして、怖くて。

でももう平気。