一ノ瀬さん家の家庭事情。

移動してきた人のいない公園。

もう七時前だから、さすがにいつも遊んでいる小学生もいない。

日は落ちてあたりは真っ暗、冬の空にはキラキラ輝く星がたくさん出てる。

二人でベンチに腰を下ろしてしばらくの沈黙。

早く、早く言わなきゃ…

言うんだ…

もう後には戻れない。

あたしは思い切って口を開いた。

「あのね…あたし、入学したとき、この高校に友達全然いなくて。」

って、おい!

何思い出話からしちゃってるんだ!

自分で自分をつっこみつつ何とか口をまわす。

「それで、浅丘君に、おはよう、って言われた時すごく嬉しかった。話しかけてくれて、すごく救われた。ほのちゃんとも仲良くなれたし、部活のみんなとも…」

「そんな…俺は何もしてないよ。」

あたしは大きく首を横に振る。

「本当に浅丘君がいたから、今楽しく学校生活を送れてるの。本当にありがとう。」

もう、回り道はしないよ。

あということはひとつだけ。