一ノ瀬さん家の家庭事情。

そして遂についにやってきた、この時が!

一ノ瀬愛、人生初の決戦の舞台へ!

なんて、大袈裟すぎるかな、なんて思いつつ、待ち合わせ場所である体育館の前へ。

真兄はほのちゃんがうまく連れ出してくれたみたい。

最後に「愛ならやれる!」と言い残し帰っていったほのちゃん。

ほのちゃんがいなかったから、ここまでこれなかった。

「一ノ瀬!お待たせ。」

「はい!」

ってあたし、何返事なんかしてんだ!?

声も裏返っちゃってるし、緊張してるのバレバレじゃん!

「あれ、帆華たちは?」

ここからは、一人での勝負なんだ。

「あの、あたしね、今日浅丘君に話したいことがあるの。だから…今から、ちょっといいかな?」

そう言うだけでもすごくすごく緊張しちゃう。

こんなこと言って、もうあたしが何を言うのかバレちゃう。

でもそれでもいい。

「うん…場所、移動しようか。」

浅丘君の顔は見れなかったけど、静かな声は聞こえた。