一ノ瀬さん家の家庭事情。

うそでしょ!

くるみちゃんー!

「でもくるみちゃんいないのに、追試なんて…」

そうだよ、発案者がいないんじゃ…

「なんかあとからくる先生にすべて任せるから大丈夫!とか言ってた!うわー、俺も確実赤点なのに!どうしよう、キャプテンに殺される…」

もうすぐ冬のウィンターカップ予選も始まるからいろいろ忙しくなるこの時期、部活を休むのは後ろめたい。

「そうだ!朝練のない日に俺達だけ追試やってもらえないかどうか、頼みに行こうよ!」

「え、でもいいの?」

「とりあえずはあのイケメンセンセに頼んでみようよ、ね!」

そして葉ちゃんに押され、あたしたちは次の日の朝、数学準備室の前に立っていた。

「もう来てるかな?」

「うーん、入ってみよ!」

ガラガラと扉を開けると、中からはコーヒーの香り。

「おはようございます…」

葉ちゃんに続いて入ると、机に人影が。

「先生、おはようございます!」