もう!なんなの!

人がせっかく作った朝ごはんにケチばっかつけて!

「ほら、玲。俺のまだ何にもかかってないから、愛も早く食べないと遅刻しちゃうよ。今日、朝練の日なんでしょ?」

あたしを唯一まともに人間として扱ってくれる優兄が朝の光を浴びて神々しく見えるよ…

「うん!優兄、ありがとう!」

やっぱり、彼氏にするなら優兄みたいな優しい人がいいなぁ…

…ん?

なんで今、一瞬だけ浅丘君の顔が浮かんだんだろ?

あっ、浅丘君も優しいもんね。

それに、バスケをしてる時は真剣で、いつもニコニコ笑ってるギャップもなんだかかっこよく見えちゃう。

って、なんかあたし、浅丘君のこと…

「愛!部活で変な奴に絡まれてないだろうな?どうなんだ、真!」

りっちゃんは毎朝毎晩これを聞く。

自分が心配だからって無理やりバスケ部のマネージャーさせたくせに、今度は部内での心配もしだす始末。

だったらやっぱり帰宅部のままでまっすぐ家に帰ってきたほうが良かったんじゃないの?