一ノ瀬さん家の家庭事情。

まだ告白できてなくて、毎日挨拶したり、部活で話せたりするだけで満足できちゃうあたしはヘタレ。

もう少し、もう少しって先延ばしばかりしてしまう。

「愛?ボーッとしてるよ、手伝おうか?」

いつのまにか優兄が来て、ダンボールからツリーを出してくれていた。

「ありがとう!」

あたしはオーナメントの入った箱を優兄に渡す。

「このツリー、昔は俺達と同じくらいの大きさだったのにこんなに小さく感じるなんてね。」

確かに、昔は少し見あげるくらいだったツリーは今はちびなあたしよりも少し小さいくらい。

「この星も簡単に付けれちゃうね。」

優兄が箱から取り出したのはツリーのてっぺんにつける金色の星。

そういえば小さい頃は誰がこの星をてっぺんにつけるか、喧嘩してたっけ。

「みんなはクリスマスの日、どうするんだ?」

こたつでコーヒーを飲んでいたりっちゃんが読んでいた本を閉じて言う。