思いっきり転んだ。

…恥ずかしいー!

「愛!大丈夫?」

ほのちゃんが駆け寄ってきてくれる。

「平気平気!」

「でも、少し血が出てるよ。」

体操服のジャージのハーフパンツの膝からは少しだけ血が滲んでる。

「これくらい大したことないよ!みんな待ってるから、行こ?」

あたしは歩き出そうとして、すると誰かに腕を引っ張られた。

「救護テントで絆創膏貰いに行くぞ。」

「え…でも…」

「いいから。帆華、先に行ってて。」

久住君がいうと、ほのちゃんは頷いた。

「大丈夫なのに…」

久住君って結構心配症だよね。

「見てるこっちが痛々しいっつうの。ほら、足出せよ。」

えっ??

見ると久住君がベンチを指さし、絆創膏を持ってスタンバイ。

なんか、このシチュエーション、ものすごく恥ずかしいんだけど!

「いっ、いいよ!自分でできるもん。」

「いいから。ほら、早く。」

あたしは仕方なく足を出した。