そのりっちゃんの言葉に、なんだかまた泣きそうになる。

本当の両親はもういないあたし。

お父さんは世界中を旅するカメラマンで、なかなか家には帰ってこれない。

そんなとき、あたしの親代わりになってくれたのはいつもりっちゃん。

りっちゃんだって普通の高校生と同じように、家事なんかせずに遊びたい時期だってあっただろうに。

なのにいつも誰よりも家族のことを思って、優先してくれる。

なのにあたしはいつも文句ばかり言って。

りっちゃんはあたしのことを大切に思ってくれてるこら言ってくれてるのに。

「りっちゃん、ありがとう…」

そう言うと、りっちゃんのやさしい手があたしの頭の上にそっと乗った。

こうやってやられると、安心するの。

りっちゃんの魔法の手だね。

「愛は俺の大切な妹だからな。」

あたし、りっちゃんの妹でよかった。

りっちゃんがお兄ちゃんでよかったよ。