一ノ瀬さん家の家庭事情。

浅丘君は一ノ瀬には秘密、と言って笑った。

反則だよ!その笑顔!

胸がキューーンと締め付けられる。

「いいよ、何でも質問。」

どうぞ、と手をマイクのようにして差し出される。

これは、浅丘君のことを知るチャンス!

「お誕生日はいつですか?」

「4月7日です。」

なぜか二人とも敬語になっちゃってて、おかしくて笑ってしまうと浅丘君も笑う。

「一ノ瀬は?誕生日いつなの?」

「2月14日だよ。」

「へえ、お前バレンタイン誕生日なんだ。」

え?浅丘君はあたしのこと、お前なんて呼ばない。

この声は…

「久住君!」

いつのまにやら顔を上げると、そこには不機嫌そうな顔の久住君。

いつのまに!

ていうか、よくも浅丘君との会話を邪魔してくれたな!

「なんかこれ、実行委員の仕事一覧だって。一部しかないからコピーしろって担任から。」

「ええ、コピーくらい久住君がやってよ。」