一ノ瀬さん家の家庭事情。

そもそも告白だって初めてだったのに!

いや、あれは告白とカウントしていいのか?


優兄が手伝ってくれたおかげで思ったよりはやく晩ご飯の用意ができ、みんなが食卓に集まってくる。

「はい!いただきまーす!」

りっちゃんのいただきますの後にみんなが続くのが家のルール。

「そうだ、真。バスケ部ってマネージャー募集してないの?」

りっちゃんがとつぜんそんなことを言い出した。

真兄は中学の時からバスケ部。

一応エースらしいけど、ほんとなのかな。

「してるけど、なんで?」

お味噌汁を啜りながらどうでも良さそうにりっちゃんの顔を見た。

するととたんにりっちゃんはあたしに向き直った。

箸までおいて、改まって。

「な、なに?」

まさかまださっきのこと掘り返すつもりじゃ…

「愛、バスケ部のマネージャーやりなさい。」

「へ?」

「はあ?」