「琉亜、ご飯できたよ」
いつの間にかベットで寝ていたらしいあたしは、おばあちゃんの声で目を覚ました。
「……うん」
頭が重くて靄がかかったようにモヤモヤした状態のまま、1階のリビングに足を進めた。
おじいちゃんは既に他界していて、おばあちゃんと2人きりの空間だった。
シチューを作ってくれたらしいおばあちゃんは、テーブルにお皿を置き、あたしの前の席に座った。
相変わらずあたしは言葉を何も発さず、黙々とシチューを平らげていく。
そんな様子をみていたおばあちゃんは、
「琉亜 、自分を責めたらだめよ。命を放ってでもパパとママは琉亜を守ったんだから。精一杯生きなさい」
優しく諭すように口を開いた。
その言葉に、涙が込み上げてきた。
でも泣いちゃだめだ。
強く生きなきゃいけないから。
人前で、泣いちゃだめだ。
「おばあちゃん、ありがとう」
笑顔にはできなかったけど、胸一杯の感謝をおばあちゃんに言った。
おばあちゃんは何も言わずに静かに微笑んだ。
