「ここが琉亜の部屋だからね」
おばあちゃんは、2階にある部屋に案内してそう言った。
田舎にあるおばあちゃん家は自然に囲まれている。
この頃小学4年生だったあたしは、きっとなにもかもに冷めてる小学生になっていた。
「うん、わかった」
無表情で愛想のない返事しか返さないあたしに、それでもなお微笑んで「ゆっくりしなさいね」と言って1階に降りていった。
今日からあたしの部屋となる場所をぐるりと見渡す。
勉強机はドアから入って左側に、その隣にはベットが置かれていた。
窓からはオレンジ色に染まった空が見えていた。
きれいだねって、きっとママは言うと思う。
外で遊ぼっかって、きっとパパは言うと思う。
でももう、大好きな大切なその人達はいない。
